2010/03/29

裁判所の経験則

裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果を斟酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する(民事訴訟法247条、自由心証主義)。

つまり、「自由な心証により」=みずからの経験則を使って、自由に心証を形成する。

そこで、いかなる経験則が一般的に考えうるのか。経験則を体系化している文書を見つけたので、引用します。


以下が一般的であるとすれば、実際においてこの枠をはみ出るような行動を行っていた場合には、それを合理的ならしめるだけの理由が必要で、その理由は、裁判所を説得するだけのものでないといけない。

後に紛争に巻き込まれる事態が予想される経済人は、以下の枠組みを念頭において、財産的行為を行うと、後の紛争の予防になるかもしれません。
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■経験則の体系

p98 「事実認定の基礎 ~裁判官による事実判断の構造」伊藤滋夫

第1 現実の行動の経験則

 1 人の財産的行為(取引行為)は、原則として経済的利益を追求するものである。
 ① 原則として、等価交換以上になるようにする
 ② 原則として、等価交換の実質が確保されるようにする。
 ③ 原則として、取引行為の相手が不当な利益を保持することを許さない。


 2 人の財産的行為は、原則として自己防衛的なものである
 ① 原則として、取引行為の基本的意味は理解した上で、これを行う。
  ② 原則として取引行為はその権限があると考える者を相手として行う。
   ③ 原則として、取引行為をするときには自己の損失を最小限にしようとする
   ④ 原則として、取引行為をしたときには、その実現された結果が、少なくともその主要な部分において、当初の合意に合致しているかを検討する。
  ⑤ 原則として自己の重要な財産の保全に留意する
  ⑥ 原則として、法廷における本人の供述は、自己に有利になるようにとの考えに影響される



 3 財産的行為においても、特別の事情がある場合には、人は、経済的利益の追求や自己防衛的であることをやめる!

 ① 特別の人間関係があるとき
 ② 特別の状況が存在するとき

第2 証拠に関する行動の経験則

 1 人は財産的行為では原則として証拠を残す

 2 特別の事情がある場合には、人は財産的行為においても証拠を残さない

 3 人は、純粋の好意に基く行為では、原則として証拠にまでは留意しない

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